ファッション業界のトレンドが決まるファッションショー。日本ではコレクション、海外では数日にわたって開催されることからファッション・ウィークとも言われています。
第1回では対象者別に分類できるコレクションの特徴をご紹介しましたが、第2回ではプレタポルテの世界4大ファッションショー(コレクション)毎の違いについてお届けします。
またコロナ禍を機にファッションショーも変化した様子や、コレクション経験者が語るパリ、ミラノコレクションの違いについてもご紹介します。
■世界4大ファッションショー、それぞれの特徴とは
プレタポルテ(高級既製服)コレクションとして有名な世界4大コレクションにはそれぞれどんな特徴があるのでしょうか。
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パリコレクション
世界4大コレクションの中でも一番スケールが大きく、歴史もあるコレクション。オートクチュールコレクション時代を含めると100年以上の歴史があり、ファッショントレンドを大きく左右するほどの影響力があると言われています。他のコレクションに比べても、ステータスや世界的注目度などが圧倒的です。
メンズ/レディースと分かれてパリコレクションが開催され、開催時期はメンズが一足先に開かれます。デザイナーだけでなく、モデル、ヘアメイクなどショーを支える職業の人達でも憧れるコレクションです。
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ミラノコレクション
パリコレクションの次に大きい規模で開催されるファッションショーです。1976年から続くミラノコレクションは200社以上のメーカーやブランドが独自の会場を設営することが多いです。
斬新なデザインや素材が使われることが多く、新作発表の場や受注会の場としても参加する企業が多いのも特徴。ファッションショーはメンズ/レディース共に開催され、特に毎回新しいデザインが登場することから、レディースのファッション界への影響が大きくレディースコレクションへの注目度は高いです。
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ロンドンコレクション
1984年から開催されているロンドンコレクション。始まった当初は15ブランドでしたが、英国ファッション協議会が若手デザイナーの支援プログラムを採用していることから、現在では90ほどのブランドが参加するコレクションに成長しています。
メンズ/レディースの区別はなく、他のコレクションに比べて若手ブランドの割合が多く、若手発掘の場としてもジャーナリストやアパレル関係者には注目されているコレクション。老舗ブランドの出展もありますが、若手ブランドへの支援に力を入れていることから参加するブランドの入れ替わりが激しく、シーズン毎に雰囲気が変わるのが楽しめるのもロンドンコレクションの特徴と言われています。
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ニューヨークコレクション
世界4大コレクションの中でも最もリアルクローズに近いファッションショー。シンプルで日常的なデザインや機能的なコーディネートができるものなどがあり、他のコレクションに比べると一般に取り入れやすいデザインが多く登場します。
1943年にはニューヨークコレクションの前身となるファッションショーがニューヨークで開催されていましたが、当時は戦時中とのことでアメリカのジャーナリストたちがヨーロッパへ出向く事ができませんでした。そこでアメリア独自で立上げ徐々に広がり、1962年に現在のニューヨークコレクションが確立したと言われています。
ジェンダーに対する意識も高く、ボーダーレスなアイテムやモデルが男女混合でランウェイに登場するスタイルが多いのもニューヨークコレクションの特徴と言えます。
■コロナ禍を機に進化するコレクション
世界中にパンデミックを引き起こし、各方面に大きな影響を与えているコロナウィルスですが、ファッションショーにも大きな影響を与えました。
これまでリアル開催で行ってきたコレクションをオンライン開催し、世界中どこにいても楽しめるように変化していったのです。コレクションに参加しているブランドがオンラインで一般公開している場合には誰もが気軽に参加できるようになりました。
これまでは一部の限られた人、招待されて人のみがその場に参加でき最新トレンドを知ることができました。それをメディアが報じることで参加できなかった人も情報を仕入れられたのですが、オンラインによって個人が情報を得られる時代への変化したのです。
もちろんオンラインでは制限された環境化ですので、見える角度や会場の雰囲気がつかめない場合もありますが、ファッションを勉強している人や好きな人にとって自分の目でコレクションが見れるのは大きな変化です。
しかし今度もオンライン配信を続けていくかどうかは未定とのこと。
リアルだから感じれる空気感や各ブランドの想いや出会いもあると思いますので、リアル、オンラインの両方開催を期待したいですね!
■ワンラック代表もパリ・ミラノコレクションに参加。その現場とは
ワンラックの代表取締役である佐野も、パタンナーとして前職場でパリ・ミラノコレクションを経験している1人です。
華やかな世界が繰り広げられるコレクションの現場間の違いと、コレクションを経験して得たものとはについて話を聞きました。
-パリやミラノのコレクションを経験されている代表ですが、違いを感じることはありましたか
佐野:僕は前職場で働かせていただいた9年間にパリ1回、ミラノ2回のコレクションを経験させてもらいました。
ミラノがあるイタリアは特に最先端の新しいものというよりも、伝統や古いものを大切にする傾向を感じました。歴史的建造物の多さからみてもその違いはパリや日本とは異なり、古いものへのリスペクトを感じましたね。当時の流行も関係していると思いますが、仕立てに関する厳しさや注力されているなというのはパタンナーとして違いを感じた部分です。
-世界の舞台を経験されて、そこから得た物などはありましたか
佐野:パタンナーの僕以外にも、コレクションを成功させるためにメイクさんやスタイリストさん等、多くの方が裏方として働いています。皆さん、その業界では一流と呼ばれている人達です。その人達と同じ環境で同じ作品を作り上げられたことは、僕にとってとてもよい刺激になり大きな財産になりました。
比べるのもおかしいですが、コレクションに出展していない一般的なアパレル企業に勤めていたら経験できないことだと思いますからね。
インタビューは以上になります。
いかがでしたでしょうか。
各地のコレクション毎にも特色があるというのも興味深い点かと思います。
本日(2/10)より23-24AWレディースのニューヨークコレクションが始まります。
NY→ロンドン→ミラノ→パリ とコレクションは3月上旬まで続いていきますので、ぜひお気に入りのブランドやファッションメディアをチェックしてみてくださいね!
パリ・ミラノコレクションを経験したパタンナーが手がける着心地にこだわったワンラックの洋服はコチラ
・化学繊維を使わずにパターン技術を活かし襟を作り上げた9部丈Tee
・腰回りの肌ストレスを解消させたサラサラ素材の気持ちがよいボクサーショーツ
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参考URL
・WWD JAPAN
・ESMODE
https://www.esmodjapon.co.jp/column/
・FashionHR