トレンドを決めるファッションショー①。それぞれの違いと特徴とは。コレクション経験者が語る華やかな舞台の裏話もご紹介。

トレンドを決めるファッションショー①。それぞれの違いと特徴とは。コレクション経験者が語る華やかな舞台の裏話もご紹介。

トップモデルが華麗に新作を着こなし、見事なウォーキングを見せる世界のファッションショー。近年では東京ガールズコレクションなど、国内でも一般客が気軽に参加できるファッションショーが開催されていますが、対象者によって分類が分かれるのをご存じでしたでしょうか。

  

今回は世界で開催されているファッションショーについてご紹介。参加できる対象者によって分類できるファッションショーの世界についてお届けしたいと思います。

文末にはワンラックの代表が実際に経験したコレクションの裏側について話を伺いました。

 

 

葉っぱ 女性

 

 

■オートクチュール、プレタポルテ、ファッションイベントの3つに分類されるファッションショー

  

華やかな世界のファッションショーですが日本ではコレクションと呼ばれることも多く、また数日かけて開催されることから海外ではファッション・ウィークとも言われています。

  

ファッションショー(コレクション)は対象者によって大きく3つに分類されます。

 

  • オートクチュール 

 

ファッションショー オートクチュール

 

オートクチュールとはパリ・クチュール組合加盟店で注文により縫製されるオーダーメイド一点物の最高級仕立服。世界の上流階級や超富裕層に向けて開催されるファッションショーです。20世紀初頭までパリでは多くの高級仕立て屋が存在し、上流階級の顧客たちが利用していました。しかし1970年代のプレタポルテ(高級既製品)が登場すると、オートクチュールの顧客は減少し、現在では世界でも500人前後が対象となっていると言われています。

  

オートクチュールコレクションは毎年2(SS()1月、AW7月に開催)、パリで行われていますが、スーツ1着が300万円以上といいますので対象者も王族や有名俳優、世界のファーストレディなどが主な顧客と言われています。

※SS:Spring&Summerの頭文字を取り、春夏を表す。 AWも同様にAutumn&Winterの頭文字を取ったもので、秋冬を表す。

 

 

  • プレタポルテ

 

ファッションショー プレタポルテ

 

プレタポルテとは高級既製服とも言われ、オートクチュールのような1点物のオーダーメイド服ではなく、型紙を用いて製造される高級服。オートクチュールコレクションから派生し、1960年代から始まったと言われています。

ファッションショーと言えばプレタポルテと想像される方も多く、一般的に広く認知されているコレクションです。

  

パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークで開催されるファッションショー(ファッションウィーク)は世界4大コレクションとも言われ、アパレル業界のみならずメディアでも大きく取り上げられます。

  

プレタポルテのコレクションは年2(SSは6~9月、AW1~3月)に各都市で開催され、パリとミラノコレクションではメンズ、レディースが別日程で開催されています。

  

日本でも高級既製服ブランドが出展する「東京コレクション」が1974年から年2(4月と11)に開催されています。こちらの東京コレクションも近年では世界から注目を集めていることから、東京コレクションも含めて「世界5大コレクション」とも言われるようになってきました。

 

 

  • 各国で開催されるファッションイベント

 

ファッションショー 東京ガールズコレクション

 

プレタポルテも既製服とは言いますが、まだまだ限られた富裕層に向けたファッションショーです。東京ガールズコレクションや神戸コレクションのように一般客を対象とし“リアル・クローズ(実用性のある服)”と提唱したファッションショーが各国・都市で開催されるようになりました。対象者もバイヤーやファッション関係者向けのものはなく、1020代をターゲットとしているものが多いです。

  

  

モデルも上記コレクションとは異なり、各国や都市のファッションモデルや有名俳優やタレント、アーティストなどが登場し、洋服の展示発表だけでなく歌のライブなども行われエンターテイメント性の高いイベントです。観客も自身のスマホを使いモデルさんが着ている服をその場で購入できたり、イベント終了後に即売会が行われたりと実用性の高いファッションイベントショーです。

  

特に有名な東京ガールズコレクションでは、日本の文化を世界に発信し海外からの訪日数を増やす狙いで外務省と国土交通省もバックアップをしています。東京を飛び出し、沖縄、名古屋、北京でも開催されるなど国外を出ても人気のあるイベントへと成長しています。

 

 

ワンラック 代表 佐野

 

 

■ワンラック代表もパリ・ミラノコレクションに参加。その現場とは

 

ワンラックの代表取締役である佐野も、パタンナーとして前職場でパリ・ミラノコレクションを経験している1人です。

華やかな世界で繰り広げられるコレクションの現場は、実際どのような雰囲気なのでしょうか。経験者だからこそ話せる裏側を聞きました。

  

  

-実際の裏側(バックヤード)はどのような状況なのでしょうか。

 

佐野:僕は前職場で働かせていただいた9年間にパリ1回、ミラノ2回のコレクションを経験させてもらいました。

  

コレクションの時間はだいたい5~10分ほど。ショーを無事に成功させるために数カ月ほど前から準備に取り掛かりますが、モデルさんがランウェイに立つまでの直前まで緊張感が続いています。

 

というのも、モデル1人に1ルックではなく2ルック、多い場合には1人が3ルック着こなすのです。ランウェイで歩くその瞬間を最高の形で迎えるために、1人1ルックならば前準備も時間をかけてできますが、脱がせて着せて仕上げての繰り返しです。SSコレクションならばまだ洋服の数量も少ないですが、AWになると重ね着やボタンの数量が多いので特に大変でしたね。

  

時にはモデル自身に着がえをしてもらったり、モデル同士で助け合ってもらうわけですが、英語が話せない僕にとっては何とか伝わるように必死でこなしていました。

  

 

-思い出深いエピソードはありますか

  

佐野:ミラノコレクションを経験させてもらった時、伝統的な建造物が会場となったコレクションがありました。イタリアは伝統や古くから伝わるものへのリスペクトが高いので、会場も重厚感のある建造物を選んでとてもよい雰囲気でした。

  

ミラノコレクションに合った伝統的な会場自体は良かったのですが、冷暖房装置がなかったんです。AWコレクションは8月くらいに行われるのですが、真夏のミラノは東京並みに暑いです。アスファルトが車の重みに耐えかねて溶けてしまうくらいの暑さです。

  

冷房設備が無い中、会場は密室、もちろんバックヤードも蒸し風呂のような状況でした。その中で持ってきた洋服にアイロンをかけモデルに着させて、ショーを成功させなければいけないというのは、ある意味思い出深い経験となり印象に残っています。

  

 

 

いかがでしたでしょうか。

人を楽しませる華やかな舞台の裏側ではさまざまな人が1つの物を成功させるために、一丸となって取り組んでいるのですね。

見ているだけでも面白いコレクション、2月末からプレタポルテのコレクションも始まりますので、チェックしてみるのもいいですね!

  

  

パリ・ミラノコレクションを経験したパタンナーが手がける着心地にこだわったワンラックの洋服はコチラ

化学繊維を使わずにパターン技術を活かし襟を作り上げた9部丈Tee

・春先から初夏まで1枚で着るのに心地よいボーダーTee

腰回りの肌ストレスを解消させたサラサラ素材の気持ちがよいボクサーショーツ

  etc

  

  

  

  

参考URL

WWD JAPAN

https://www.wwdjapan.com/

ESMODE

https://www.esmodjapon.co.jp/column/

FashionHR

https://fashion-hr.com/

 

 

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