もうすぐクリスマス!配達のバイクにまたがったサンタさんや、ティッシュ配りをするサンタさんなど町中でも色々なサンタさんを見かけますが、共通しているのは赤と白の洋服。
しかし18世紀前後の欧州ではサンタの服の色がいまと違っていたと言います。今回はサンタのルーツと、なぜいまのようなサンタの服が赤と白になったのか、そんなサンタの洋服についてお届けしたいと思います。
サンタクロースのルーツは聖人ニコラウス。金貨を投げて貧しい人々を救った人物。
サンタクロースのルーツとして知られているのは、聖人ニコラウスです。聖人ニコラウスは西暦270年頃に誕生したとされるキリスト教の主教(司教)。子ども達や恵まれない人々のために尽くした人として有名ですが、その中でも3人の娘が居るとある貧しい家庭に、聖人ニコラウスがそっと金貨を窓から投げ入れ結婚資金を与え救ったという話はよく知られています。
この金貨がたまたま暖炉のそばに置いてあった靴下に入ったことから、クリスマスには靴下を飾るとされているのも、このエピソードが起源になっているそうです。
また恵まれない人々のために尽くされた姿から、聖人ニコラウスがサンタクロースのルーツになったと言われ現在に伝わったとされています。
しかし聖人ニコラウスとサンタクロースの間にはもう1人、サンタクロースの原形とされる人物がいるのをご存じでしょうか。
その方とは、聖人ニコラウスの伝説を基にオランダの神話に登場するシンタクラース(またはシント=ニコーラ―ス)です。シンタクラースは、老齢で威儀正しく謹厳な人物、白髪とあご全体を覆う長いひげを持ち白馬に乗っていると言われています。白馬がソリととなかいになったら、もうサンタクロースと同じと言っても過言ではないでしょう。
※シンタクロースの画像
まとめるとサンタクロースのルーツは
聖人ニコラウス → シンタクラース → サンタクロース
と変化していったという事になります。
赤と白の服はキリスト教の典礼のため。とある企業のCM効果で一気に広まっていった。
サンタクロースのルーツとなったが聖人ニコラウスということは分かりましたが、ではなぜサンタと言えば赤と白の決まった服装なのでしょうか。
そこにはカトリック教会の典礼(典礼とは:定まった儀式・儀礼あるいはこれを司る役)が関係しており、主に「白、赤、緑、紫」の4色が典礼色として用いられていると言います。
典礼の内容や時期によって色が使い分けられてストラ(ストール)やカズラ(マントのような羽織もの)などの祭服などに使用されているそうです。
中でも赤は情熱や精霊の炎、血、庇護や慈愛などを象徴する色とされ、自分の命を投げうってでも人々の幸福に尽くすことが役目とされている司教の強い覚悟を象徴する色として使用されています。
サンタクロースのルーツと考えられている聖人ニコラウスが主教であることから、赤い服が着用されたのかもしれません。
じつは18世紀から19世紀のヨーロッパでは今の様な赤と白の服装ではなく、緑色や紫色、青や黄色など、さまざまな配色の服装をしたサンタクロースが描かれていたといいます。
※18世紀から19世紀に描かれたサンタクロースの服装
その後、1931年とある広告をきっかけに「サンタクロースと言えばこういう人」という世界の共通認識のような人物が現われます。そう、毎年おしゃれなCMをこの時期に届けているコカ・コーラ社です。
コカ・コーラ社が1931年に打ち出した広告のサンタクロースが一気に世界に広がり、いまではサンタクロースと言えば… というロールモデルになったとされています。
※コカ・コーラ社が広めたと言われるサンタクロースのイメージ
バレンタインのように企業のキャンペーンがきっかけでサンタクロースという存在が広がっていったとは驚きですね。
いかがでしたでしょうか。
サンタクロースについてルーツや服装の歴史など、知れば知るほど興味深くなってきますね。