ファッション界で伝説的な存在とされるジョン・ガリアーノが、メゾン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターを退任しました。
2014年からメゾン・マルジェラに加わり、この10年間でジョン・ガリアーノが及ぼした影響は就任当初に比べると5倍の収益、店舗数も50から120に増えたと言います。
今回は「ジョン・ガリアーノって誰?何者?」と思う方でも分かるように、簡単にジョン・ガリアーノとメゾン・マルジェラの関係性、彼が残した功績についてご紹介したいと思います。
■ジョン・ガリアーノとは?
ジョン・ガリアーノは、ファッション界の革命児として知られるデザイナーです。2024年には彼の半生を描いた映画も公開されるなど、ジョン・ガリア-ノの名前が世の中に一層広がった1年とも言えるでしょう。
彼のキャリアは1980年代初期以来、業界の先端を走り続けてきました。大胆で劇的なデザイン、そしてストーリーテリングを取り入れたショーの演出は、多くの人々を魅了しました。特に注目されたのは、彼がクリスチャン・ディオールのデザイナーを務めていた時期。ディオールでの功績も大きかったですが、スキャンダルを起こすこともあり、そのキャリアは波乱に満ちています。
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より詳しくジョン・ガリアーノについてはコチラの記事から
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■メゾン・マルジェラとの出会い
ジョン・ガリアーノがメゾン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターに就任したのは2014年のこと。
メゾン・マルジェラは、1988年にベルギー出身のデザイナー、マルタン・マルジェラによって設立されたブランドです。このブランドは、ミニマリズムや脱構築といったテーマを軸に、ファッション業界に革新をもたらしました。従来の洋服を解体して縫製しなおしたり、タグを外付けしたりといった、常識にとらわれないデザインが特徴です。
マルジェラ自身は長らく謎めいた存在で、メディアには顔を出さないことで知られていました。そのため、ブランド自体も「匿名性」や「表現自己の自由」を重視した哲学が感じられるものになっています。
■異色のコラボレーション
ジョン・ガリアーノとメゾン・マルジェラの組み合わせは、当初ファッション界に驚きを与えました。一見、対極的なスタイルを持つ二人の融合がどのような形になるのか、多くの人が注目しました。
ガリアーノの持つ劇的で華やかなスタイルと、マルジェラのミニマルでアバンギャルドな哲学。これらがぶつかり合うのではなく、融合し新たな命を吹き込んだのがガリアーノの功績です。マルジェラのスタンスを尊重しながらも、自身のクリエイティビティを見事に注ぎ込み、現代のファッションシーンにフィットするコレクションを次々と発表しました。
■ガリアノがメゾン・マルジェラで残したもの3選
1「アーティザナル」ラインの進化
アーガリノが特に力を入れたのが、メゾン・マルジェラのオートクチュールライン「アーティザナル」。 廃材や古い素材を再構築し、まるでアート作品のような洋服をじっくり作り、職人技が融合した、新しい価値観を提案しました。
2 劇的なプレゼンテーション
ガリアーノは、ショーを単なる服の発表の場ではなく、ストーリーを持たせ舞台として捉えました。近年開催されているファッションショーはより商業的・ビジネス的な要因が主流となっていましたが、彼のショーはまるで短編映画のように、観客を魅了する世界観を持っています。特に2024年1月にパリで開催されたコレクションのショーはファッション業界を超え、多くの人から注目を浴びました。
3 次世代デザイナーへの影響
ガリアーノの対抗性と大胆さは、多くの若手デザイナーにとって刺激的な存在でした。また現在でも活躍しているデザイナーにも「自分たちの仕事の理由を思い出させてくれた」と声を上げるほど、ファッション界に影響を与えています。
いかがでしたでしょうか。
ジョン・ガリアーノがメゾン・マルジェラで過ごした10年間での功績や影響について簡単にご紹介させて頂きました。ジョン・ガリアーノが退任を表明した理由や後任については未発表です。デザイナーが変れば、ブランドの方向性も変化していくでしょう。ジョン・ガリアーノのこれから、メゾン・マルジェラの新デザイナーが誰になるのか、どんな世界を見せてくれるのか楽しみですね。