2024年9月、ファッション界の巨匠ジョン・ガリアーノに注目した映画が日本で公開されます。この映画は、彼の華々しいキャリアの向こう側にある複雑な人間ドラマや、彼の生い立ちから成功、そして失意の底からの復活までを描き、ガリアーノの天才性と人間性を深く掘り下げています。
今回は映画公開前の復習と題して、彼の生い立ちから功績までをご紹介したいと思います。視聴前に見ておくと、さらに彼の深層を探れるかもしれませんよ。
■ジョン・ガリアーノとは?
ジョン・ガリアーノは、1960年にジブラルタルで生まれ、ロンドンで育ちました。 彼の家族はイギリスに移住し、ガリアーノは幼少期から芸術に興味を持ち、ロンドンの名門校セントラル・セント・マーチンズに進学しました。
1984年、卒業制作として発表したコレクション「Les Incroyables」は、その独特なスタイルと技術でファッション界を驚かせ、彼のキャリアをスタートさせました。
■華やかなキャリアと栄光の時代
ガリアーノは、その後すぐにロンドンで自らのブランドを立ち上げ、1995年にはジバンシィのクリエイティブ・ディレクターに就任しました。 彼はジバンシィを新たな時代へ導き、その後ディオールに移籍し、今度は真の名声獲得しました。
ディオールでの彼の功績は、ブランドのアイコンである「ニュールック」を現代風に再解釈し、ラグジュアリーファッションの新たなスタンダードを打ち立てたことです。ドラマチック、そして革新的で、ファッションショーの概念を覆すものでした。
■過ちとその後の再起
しかし、2011年に彼は反ユダヤ的な発言をしたことで、大きな批判的思考、ディオールから悔やまれるという大きな挫折を経験しました。このスキャンダルにより、一時はファッション業界から姿を消しましたが、2014年にメゾン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターとして復帰します。彼は過去の迷いから学び、再びその創造力を発揮して、マルジェラで新たな風を吹き込んでいます。
■映画で描かれるガリアーノの姿
この映画では、ジョン・ガリアーノの天才的なデザインだけでなく、彼が自分の覚悟と向き合い、またファッション界に戻ってきた軌跡が描かれています。絶頂期だったガリアーノは年36回のショーをこなす一方、大切な人の死やアルコール依存症などを抱えていたと言います。
成功、挫折からの再生、その時にガリアーノは何を想っていたのか。その真実の物語はファッション好きな人でなくても、多くの人の心に語り掛けるものがあるかもしれません。
ジョン・ガリアーノという一人の天才デザイナーの人生を見つめて、ファッション業界の向こうと、そこに生きる人々の情熱が感じられる作品です。
【ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー】
2024年9月20日(金)より公開
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか
配給:キノフィルムズ(c) 2023 KGB Films JG Ltd
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