SDGs18個めの目標?!1億個以上あると言われるスペースデブリの正体とは。

SDGs18個めの目標?!1億個以上あると言われるスペースデブリの正体とは。

森や海の環境を守ろうというSDGs目標がありますが、18個目にあげるなら「宇宙について考えよう」かもしれません。

 

1957年に旧ソ連が人工衛星を飛ばしてから、宇宙に対する人類の好奇心と挑戦は増え続ける一方です。国際宇宙ステーション、火星探査や人工衛星、さまざまな技術開発により衛星中継が可能となり、通信環境も整ってきました。

 

しかしその裏でじつは「宇宙ゴミ」が増え続けていることをご存じでしょうか。宇宙ゴミの増加により私達の暮らしにも影響がでる可能性があると言われています。

 

今回は宇宙ゴミについて、ご紹介したいと思います。

 

地球

宇宙ゴミの数は1億個以上。日々増え続けるスペースデブリの数。

「スペースデブリ」という言葉をご存じでしょうか。

スペースデブリとは地球の軌道上にある不要になった人工物のことです。人工衛星やロケットなど役目を終え、使用済みになったもの、故障して使えなくなったものなど理由はさまざまですが、軌道空間にただよう宇宙ゴミとして認知されています。

 

スペースデブリの数は宇宙航空研究開発機構JAXAが発表しているだけでも1億個以上です。

ロケットの先端部分などの10㎝以上の物体で約2万個、部品や破片など1㎝以上は5070万個、なんと1㎜以上は1億個以上という想像以上のゴミが漂っていることになります。

 

また厄介なことに、スペースデブリ同士が衝突し、大きなものから小さい破片への数量が増えているのです。また民間企業の宇宙ビジネス参入により2030年までに打ち上げ予定の人工衛星は46千機以上。現在、運用中の人工衛星は約5千個とされていますので、15の数量になると言われています。

 

つまり… このまま人工衛星をどかどかと打ち上げていけば、スペースデブリと呼ばれる宇宙ゴミの数も比例して増えていく計算です。

 

スペースデブリ 人工衛星

 

wifiや通信が使えなくなる可能性も考えられる宇宙ゴミ

宇宙ゴミ同士の衝突や新しい人工衛星の打ち上げにより、日々増え続けている宇宙ゴミですが、私達のくらしにはどんな影響があるのでしょうか。

 

スペースデブリと呼ばれる宇宙ゴミが漂っている軌道は低軌道、静止軌道など分かれています。宇宙機(宇宙船や人工衛星など)やデブリが多く存在しているのは低軌道です。起動中は宇宙機もデブリも秒速7~8kmで地球を回っているため、両者が衝突する場合には秒速1015kmもの超高速衝突となるそうです。

数字で言われてもまったくイメージがわきませんが、これはピストルの10倍以上の速さだと言われています。

 

超高速衝突するので、例え小さいデブリが宇宙機にあたったとしても受ける損傷はとても大きく、時にミッションを中止せざる負えない状況になる可能性もあるそうです。

 

人工衛星 

 

また仮に大きいデブリ同士が衝突すると、その部品や破片が発生し、1cm1㎜などのデブリが数百個~数千万個発生してしまう可能性もあるのです。

 

 

これは宇宙機だけに言える問題ではなく、人工衛星同士や人工衛星とデブリの衝突も考えられます。過去にも2013年にロシアの小型技術実証衛星が小さなデブリを衝突し、高度が変化してしまった事例も報告されているほど。

 

JAXAが発表している文章では「私達が日々使用している人工衛星は何個も存在している。仮に一つの人工衛星がデブリと衝突したからと言って日々の生活に影響を及ぼす可能性は低い」と公表していますが、その可能性がゼロだとは言えないですよね。

 

今後も増え続ける人工衛星とデブリによって衝突機会は増えてくるので、宇宙ゴミの存在を知り、対策を打つことがいま求められていると思います。

 

星空

 

宇宙ゴミを減らすには「観測、除去、減少」。日本の企業が注目されている。

では宇宙ゴミを減らすために、世界はどのような取り組みを始めているのでしょうか。

 

JAXAが公表しているスペースデブリ=宇宙ゴミへの対策は3つです。

・観測する

日々増え続けるデブリ。その数や現状を観察しておくことは必須です。

・除去

地上にあるゴミはゴミ収集車が回収し、ゴミ焼却所で除去されているように、デブリも回収→除去が行えなければ宇宙ゴミが減る事はありません。

・減少

宇宙開発をやめて宇宙ゴミを減らしましょう!というのではなく、デブリを減らすための国際標準作りやデブリに関する情報を公開しています。

 

 

JAXAでは日本の民間企業である株式会社アストロスケールと手を組み、上記の目標達成のため実証実験を2021年より開始しています。

 

デブリの状況を観察することで、交通整理がおこなえます。デブリ同士の衝突や、宇宙機や人工衛星の軌道をかえるなどし、これ以上デブリが増えないように計測しています。

 

※デブリの状況を毎日更新中。

 

現在、アストロスケール社では実際に実証ロケットを宇宙へ送り、飛び回っているデブリを回収できるか否かという実験を行っています。(実験終了時には大気圏にロケットを送り込み焼却させる計画のため、実証ロケットがデブリになることはないとされています。)

 

調べた限りどのように除去するのかについては見つけられませんでしたが、今後の取組みに期待ですね!

 

宇宙ゴミを太陽に向かって投げて焼却できれば、話は早いように感じますがそれは素人の考えなので難しいのでしょうね。

 

 

いつまでも綺麗な星空を見上げられるように、スペースデブリの存在を知っていただければありがたいです。

 

 

 

 

参考URL

JAXA(スペースデブリ対策とは)

https://www.jaxa.jp/projects/debris/index_j.html

・株式会社アストロスケール

https://astroscale.com/ja/

 

 

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