一本は持っているジーンズ。意外としらないデニムとジーンズの違いとは?

一本は持っているジーンズ。意外としらないデニムとジーンズの違いとは?

ファストファッションからハイブランドまで、数多くのファッションブランドで販売されているデニム素材の服は、誰でも気軽に着られて、とても重宝するアイテムです。

ベーシックなパンツやジャケットに限らず、最近ではスニーカーやバッグなどの雑貨や、着物にまで使用されているのを見かけますよね。

 

今回はそんなデニムについて2回に分けてお届けします。

第1部は以外と知らずに使っている「デニムとジーンズの違い」、ジーンズの知られざる歴史についてご紹介します。

 

デニム ジーンズ ジーパン 

 

以外と知らない「デニムとジーンズ」の違い。ジーンズはズボン界の異端児?

デニムとジーンズの違いって分かりますか。

意外とアウターとジャンパーの様に、ごちゃごちゃになっている方も多いと思います。

 

まず「デニム」についてです。

デニムとはインディゴ染色で染めたタテ糸と、染色していない白いヨコ糸を使い、綾織(あやおり)された織物です。通常の製品よりもやや太めの糸を使用しているのもデニム地の特徴です。

 

綾織 デニム

 

そして「ジーンズ」とは、デニム生地をつかって縫製や加工された製品のことを指し、ジーパンやジージャンと同じ製品名です。なのでデニム生地を使って作られたズボンのことをジーンズというのが正しい表現ですが、最近ではデニム生地の製品も「デニム」と言われる場合もありますよね。

 

 

デニム生地は厚手の糸を使用しているので、製品自体も厚手で耐久性が高く丈夫なのが特徴です。また使っていくうちに味がでたり、ダメージ加工を楽しんだりと自分のお気に入りにカスタマイズできるのもジーンズの良い所。他のズボンで穴が開いていたり、ラメや刺繍が入っているものは見かけませんから、ズボン界の中でもジーンズは特別な存在なのかもしれませんね!

 

 

ジーパン こじま

 

フランス発祥のデニム地。1930年代には流行りの衣装として広がっていった背景も。

 

現在ではカジュアルウェアとして万能なデニムですが、デニムアイテムの中でも定番のジーンズはもともとアメリカの労働者の服だったというエピソードは聞いたことがあるのではないでしょうか。

このことから“アメリカファッション”のイメージ強いデニムですが、実は生地としてのデニムはフランスが発祥地です。

18世紀ヨーロッパからアメリカへ生地などを輸出していたイタリアのジェノバ人が履いていたズボンをアメリカ人がジーンズ(ジェノイーズ=ジェノバ人の)と発音していたことから、ジーンズという呼び方が定着していきました。

 

1870年代、アメリカ西部で労働者たちが、ゴールドラッシュによる重労働にも耐えられる頑丈な服を作ろうと仕立て屋に依頼します。

仕立て屋のジェイコブ・デイビスは、サンフランシスコの織物商人リーバイ・ストラウスから生地を仕入れ、ジーンズを製作。

その後リベット(ジーンズのポケットの縁に付いている補強のための金属製の鋲(びょう)の特許を取り、現在も世界的に有名なジーンズのメーカーである“リーバイス(Levi’s)”を二人で立ち上げました。

 

ジーパン 鋲

 

映画文化が勢いよく発展してきた192030年代、畜産業の労働者である“カウボーイ”が西部劇の映画にジーンズを履いて登場するようになります。

そんなトレンドの中で各社ともカウボーイをイメージした広告を打ち出すようになり、ウエスタンファッションとしてのジーンズも広く周知されました。

 

そんなカウボーイブームの中でしたが、1929年に世界恐慌が起こり、西部の牧場も経営困難に陥りました。そこで世界恐慌下でもゆとりがある東部の富裕層たちに向けて、夏の休暇を牧場で過ごしてもらう牧場観光=“デュード・ランチ”を打ち出すようになりました。

 

この頃にリーバイスは世界で初めて女性向けのジーンズを製作。デュード・ランチを楽しむファッションとして女性もジーンズを履くようになりましたが、まだ労働者の服というイメージも強かったため、日常着ではなく富裕層がイベント用の服として着る場合が多かったようです。

 

当時の女性用パンツはサイドにファスナーが付いていることが一般的で、センターフロントのファスナーまたはボタン開きに抵抗があり、このことからもジーンズは女性に避けられる傾向にありました。

 

1930年 女性 パンツスタイル

 

しかし、1939年第二次世界大戦により女性も工場で働き始めると、汚れも目立たず丈夫なワークウェアとして女性もジーンズを着用するようになります。

これがきっかけとなり女性がジーンズを履く文化が一般にも少しずつ定着していきました。

 

そして日本にもアメリカ軍の進駐や映画などの興行によりジーンズが入ってくることとなります。

 

戦後はこれまでのワークウェアとしての位置づけからカジュアルウェアとしてブームに。

今までのダボっとしたシルエットから細身のシルエットがトレンドになります。

 

 

 

1952年にマリリン・モンローが映画で履いていたジーンズがヒット。当時絶大な人気を誇っていた女優の影響は大きく、女性向けファッションとしてのジーンズの浸透化はあっという間でした。またジーンズの男優として有名なジェームスディーンが活躍したのも1955年前後。彼が出演している作品にも多くのジーンズが着用されています。

 

こうして男女ともにファッションとしてのジーンズが一般的になり、現在に至るまで発展し、全世界で愛用されるアイテムとなりました。

 

   

  

 

いかがでしたでしょうか。

1部ではデニムとジーンズの違い、ジーンズの歴史についてご紹介いたしましたが、デニム地がフランス発祥であり、第二次世界大戦に女性のジーンス普及が急速に広まっていったなど、洋服1アイテムを持っても面白い歴史をたどることができました。

  

次回ではデニム地に欠かせない染色のインディゴと、ジーンズのお手入れ方法についてお届け予定です。

  

こちらも楽しみにしていてくださいね!

 

 

 

参考URL

 ・LEVI’S

https://www.levi.jp/home

Pants.jp

https://pants.jp/blogs/journal/2150

FASHON PRESS

https://www.fashion-press.net/news/31034

 

 

  

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