近年、世界中でミツバチの数が減少しているという報告がされているのはご存じでしょうか。植物の受粉に欠かせないミツバチは私たちにとっては身近な存在で、その減少は私たちの生活にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
将来、食卓から野菜が無くなってしまったり、植物が育たなくなる恐れもあるミツバチの減少。現状を知っていま私達ができることを考えてみましょう。
■植物の花を咲かせるには欠かせないミツバチたち
毎年桜の開花を楽しみにしている人も多いと思いますが、ミツバチは花の開花に欠かせない仕事をしてくれています。
桜をはじめ、農作物の受粉にはミツバチが欠かせず、約3分の1以上の食物生産がミツバチによる受粉に依存していると言われているほどです。果物や野菜、種子など、私たちが日常的に摂る多くの食品は、ミツバチによる受粉によって実現しているのです。
人間だけでなく、自然界に暮らしている動物達もミツバチの働きによって生きていけているので、ミツバチが居なくなってしまうと地球上の動植物に影響があると言えるでしょう。
■ミツバチが減少している原因は農薬などが影響している
1990年代よりミツバチの減少が確認されていますが、原因は複数あると言われています。
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農薬による減少
1990年代のヨーロッパ諸国で、ミツバチの大量死や数の減少が報告されるようになりました。
働きバチが居なくなってしまったハチの巣では、女王バチは生きているものの食料となるはちみつを運んでくれたり、巣や卵を守ってくれる働きバチであるミツバチの減少でその巣は崩壊してしまいます。
原因は何なのか、多くの科学者が探っていくうちに「ネオニコチノイド系農薬が原因である」と言われるようになりました。
ネオニコチノイド系農薬は、それ以前までの農薬と比べると人体や植物系への悪影響が少ないと言われ多くの農家で使用されていました。しかし実際には、虫の神経系を狂わせ、ミツバチが少量でも摂取すると脳の働きが狂い、方向性を失い、巣にもどれなくなってしまうと考えられています。
●ダニによる減少
ダニによる減少ミツバチ減少のもう一つの大きな原因と言われているのがダニによる減少です。
ミツバチに寄生すると言われるダニの正体は「ミツバチヘギイタダニ」と言われ、ハチの巣の中に侵入し、やがては巣を壊滅状態に陥らせる、小さくてとても驚異的なダニです。
ミツバチの幼虫が大きくなった時に働きバチに見つからないようにダニは巣穴に侵入し、ミツバチの前蛹(ぜんよう:幼虫と蛹の間の時期)から体液を吸い、産卵します。卵からかえったダニは1週間ほどで子ダニから親ダニに成長し、交尾を繰り返し爆発的にダニが巣内で増えミツバチの巣を壊滅状態へと導くのです。
運よく育ったミツバチも翅(はね)が奇形し、飛ぶことができなくなるため、働きバチの数量が減り、巣が機能を果たさなくなります。
このダニの詳しい生態については現在でもよく分かっておらず、世界中の研究者たちが協力しダニに抵抗性のあるミツバチを育成や、防除方法などを開発しています。
■ミツバチの減少が私達にもたらす影響とは
ミツバチの減少が進むと、以下のような身近な問題が発生する可能性があります。
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食品の品質と供給の低下
ミツバチが受粉を担当する農作物の収穫量が減少し、品質や供給が低下することが予想されます。これにより、食品の価格が上昇する可能性や多様性が失われるリスクがあります。
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生態系のバランスの崩れ
ミツバチは生態系の重要な一部であり、他の生物との関係を保つ役割を果たしています。ミツバチの減少により、生態系のバランスが崩れ、生物多様性の減少や生態系の機能の低下が懸念されます。
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自然環境への影響
ミツバチは野生植物の受粉も担当しており、その活動によって自然環境の維持や再生が促進されます。ミツバチの減少により、自然環境の回復力や保全にも影響が及ぶ可能性があります。
■いま私たちのできることとは
ミツバチの減少を食い止めるために、私たち一人ひとりが意識を高め、行動することが重要です。
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農薬の適切な使用
農薬の使用量を減らし、ミツバチに対する影響を最小限に抑えるために、環境に優しい農法や有機農業の推進を支援しましょう。
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花を育てる
自宅の庭やベランダで花を育てることで、ミツバチが受粉する機会を提供しましょう。ミツバチにとって魅力的な花を選び、連続的に花を咲かせることが大切です。
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地元のミツバチ保護団体を支援する
地元のミツバチ保護団体や研究機関に寄付をしたり、参加することでミツバチの保護活動を支援しましょう。地元の養蜂家が販売しているはちみつを購入することでも貢献できますね。
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無農薬食品を選ぶ
農産物や食品を選ぶ際には、無農薬や有機栽培の製品を優先して購入するのもひとつの方法です。ミツバチへの影響を減らすだけでなく、自身や家族の健康にも良い影響を与えることができますね。
いかがでしたでしょうか。
ミツバチは私達の生活に大きな恵みを与えてくれているのがお分かりいただけたと思います。ミツバチたちの環境を守ることこそが、私達の未来をつなげていくことにもつながりますので、出来ることから始めていきたいですね!
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和紙素材を使用したOneLuckのアイテムは自然負荷の少ない環境にやさしい洋服です。
OneLuckが使用している和紙素材はオーガニック農園で栽培されているアバカ(マニラ麻)を使用しています。アバカは生育スピードが早く、切った断面からも再生する植物です。水に濡れると繊維自体が強くなる性質から、家具や民芸品の他にも、日本紙幣の材料としても使用されているほど(誤ってお札を洗濯機で洗っても粉々にならないのはアバカの性質が関係しています)。
またOneLuckが使用している和紙素材は土に埋めると3-4ヵ月で分解する、土壌分解速度が早いのも大きな特徴です。同じ天然素材のコットンでも2-3年はかかると言われているので、和紙生地がいかに自然に還りやすく、地球環境にやさしい素材であることがお分かりいただけると思います。
和紙100%生地で出来たこの夏にぴったりの半袖Tシャツも登場しました。
和紙素材の特徴である自然の接触冷感(化学薬品を使用していない)が感じられるのも、和紙100%生地ならではの楽しみです。